2025 年 7 月 21 日
毎日暑いですね。
素麺ばかり食が進むのですが、その出汁が美味しいですよね。
鰹などもありますが、今回は『昆布』について調べてみました。
北の海の特産品『昆布』はなぜ西日本で重要視されたのでしょか。
日本と言えば和食、その和食の味付けは出汁がポイントになります。
昆布・鰹の出汁には、厚みはないですがすっきりとした旨味でキレが強く、
日本料亭では出汁作りが基本になります。
具材を煮出した汁は、縄文時代に土器を使用して食材を調理する中で、
いくつかの食材の煮出し汁が特に美味しいことが分かり料理に使われる
ようになったと言われています。
奈良時代には朝廷へ各地の特産品が【税】として納められていましたが、
昆布や鰹も高級食材として含まれていました。
一方でフランス料理は、肉・魚・野菜を材料としたブイヨンを使用し、
洋食の出汁を作ります。
そこにアクセントの味付けに、多くの調味料とハーブを使用しています。
骨も叩き割って長時間煮込む事で抽出するので、冷えると肉・魚のゼラチン
質で固まっていきます。
材料は異なりますが、出汁もブイヨンも料理には大切なものなので、和食・
洋食に関係なく使い分けをする事が、美味しい食事を作る肝になるようです。
現在、昆布の産地は北海道、東北(三陸海岸)に限られていますが、昆布出汁
文化の中心は京都、沖縄なのです。
なぜ産地から遠く離れた場所で多用されてきたのでしょうか?
昆布出汁が西日本に広まったのは、大きく2つの理由があると考えられています。
江戸時代に入り、流通網の整備が進むと、蝦夷地(北海道)から多くの物産が
もたらされる様になりました。
特に北海道や東北の物産を「天下の台所」大坂に北前船を使って運ぶ「西廻り航路」
の開拓が影響しています。
昆布は保存がきいて軽いという特徴があり、重要輸出品として薩摩経由で琉球に
もたらされました。
昆布ロードと言われ、西廻り航路から琉球に至るルートにのり、良質な昆布が容易に
入手可能となり、西日本で昆布出汁が愛用されたのです。
他にも水質の問題、西日本は軟水(東日本は硬水)、昆布出汁は軟水の方が出やすい
という理由もありました。
一方で、東日本(江戸)では農業・建設業などの肉体労働者が多く、濃い鰹だしが
好まれていました。
西日本(京都)では公家文化が受け継げられており、上品な昆布出汁が好まれた
ようです。
